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50年目

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今日から50年前、あのキング牧師がワシントンD.Cで200,000-300,000 人もの観衆を前にある演説をしました。歴史的に有名な演説 I have a dreamです。米国公民権運動の引き金となったとても力強くすばらしい演説です(演説の日本語訳はこちらからどうぞ)私には夢があると題されたその演説は多くの人の心を動かし、今になっても語り継がれる伝説の演説となりました。

その歴史的な日から50年、さてアメリカは彼の夢をかなえることができたのでしょうか?残念ながら答えはNOです。黒人に対する人種差別はまだ根強く残っているのがアメリカ社会の事実です。黒人は白人に比べて収入は低いですし、与えられる教育の質も低いです。私が住んでいるセントルイスは 49.2%のAfrican American、43.9%のCaucasian American、 2.9%のAsian American、 0.3% Native Americanで成り立っています。つまり、黒人のほうが白人よりも数では上回っています。ですが、会社の社長や、レストランで食事をしている人、学校の先生などは白人男性のほうがダントツに多いです。なぜでしょうか?これは、黒人の人が簡単に就職ができない理由があるからです。その一つは教育とお金です。就職にはちゃんとした教育が必要です。ですが、いい教育を受けられるのはどこでしょう?私立の学校です。公立の学校に比べて何倍も授業料が高くなります。たとえば私が卒業した大学院は公立でした。私は大学院が全米でもトップクラスのカウンセリングがあるためにミズーリ州立大学セントルイス校を選びましたが、ほとんどの学生は授業料がミズーリ市民には安いという理由で入学しています。比較してみましょう。

一般ミズーリ市民の学生の一年の大学の学費です
ミズーリ州立大学セントルイス校(公立)
$7.578 (約75万円)
ワシントン大学セントルイス校(私立)
$22,050 (約220万円)

これだけ違うんです。ミズーリ州立大学セントルイス校の学生の年齢層は多様です。ぴちぴちの18歳の女の子から、60歳くらいのおじいさんまでいます。人によっては10年かけて学士をとる学生もいます。それは授業料を稼ぐために学校を休学するからです。大学内で子供連れの学生を見ることも多々あります。子供をデイケアにあづけるお金がないため、学校につれてくるしかないのです。そして黒人の学生が多いです。もちろん白人もいますが、他大学よりも多いようです。ちなみに私立ワシントン大学セントルイス校の黒人の学生は全体の10%だそうです。

アメリカでは大学に進学したというだけでもキャリアになります。なぜならかなりの人が高校までに学校を退学してしまうからです。理由は多様です。家業の手伝い、金銭的理由、若くして妊娠、薬物、銃犯罪などなど、挙げたらきりがありません。これは人種が直接関係している訳ではありませんが、人種差別や経済格差による弾圧や育った環境はかなり関係してくると思います。

この不条理な社会を変えようとしている人は大勢います。私が行ったカウンセリングプログラムもそうでした。しかし、何ができるのかが一番難しい問題です。特に白人はこの高い壁にぶつかるようです。アメリカでは白人=危ない、白人=人種差別者という人種による固定観念が存在します。自分は社会をよい場所に変えたいのに、社会はそう見てくれない!人種差別は黒人に対してだけでなく、白人にも降りかかるのです。私はとっても優しく温かい黒人の友達が沢山いますし、白人で黒人、アジア人を含む有色人種に対する差別に対して戦っている尊敬できる人をたくさん知っています。ですからこれはただの固定観念なのですが、問題をさらに大きくしてしまう要因になりかねません。

ここで私はひとつのビデオを紹介したいと思います。タイトルは "One Easy Thing All White People Could Do That Would Make The World A Better Place" 「白人が世界をもう少し良い場所に出来る一つの方法」




ビデオの要約です。
「私の幼なじみであり、義妹にあたる女性(キャサリン)は半分黒人の血が入っているのですが、見かけは本当に白人。肌も白いし、目も青い。ある日キャサリンと私そして彼女の娘は一緒にスーパーマーケットに行ったそうです。キャサリンが列の先に立っていた為、先に支払いました。その時小切手を使ったそうです。レジの人(白人)は本当にフレンドリーに、他愛のない話をキャサリンとしていました。私の番になりました。レジの人は今度はなにも話さず、挨拶もしませんでした。私はすぐさま何が起こっているのか分かったのですが、かわいそうに10歳の娘は事情が分からず、とても混乱している様子でした。私はキャサリンと同じく小切手で払おうとしました。問題はその時に起こりました。レジの人が彼女に2つの身分証明書の提示するように言ったのです。娘はそれを見て、パニックになり目に涙を浮かべていました。私はどうするか迷ったのですが、後ろには白人の老婦人が二人・・・議論してステレオタイプの"怒れる黒人女性"なるよりも、成り行きに任せようとなにを言わずに身分証明書を提示しました。するとレジは分厚い”Bad check”(問題があった小切手のリスト)を出して来て、一つ一つ彼女の身分証明書と照会し始めたのです。ここでキャサリンが戻って来てレジに言いました「あなた何をしているの!?」と。レジの人はすぐに「これはうちのルールなのよ」。キャサリンは「でも私にはあなたしなかったじゃない!」。レジの人は「あなたは大丈夫よ。ここにずっと住んでいるって知っているもの」と返しました。キャサリンは「いいえ。彼女はここに何年も住んでいるけれど、私は3ヶ月前に越して来たばかりよ!」と言い返すと、後ろに並んでいた老婦人達も「あのレジの人がしたことが信じられないわ」という顔をしました。この騒ぎに気付き、店のマネージャーがやってきて事の真相をキャサリンは彼に話しました。
キャサリンは自分の与えられた色の”特権”がどのように社会に影響するか知っていました。その特権と共に生きて来たからです。そして、その特権を利用しての私を守りました。こうして白人は世界をより良い場所に変えることが出来るのです。」

とても力強いメッセージだと思いました。特権は色だけではありません。教育、育った環境、経済、宗教、性にもあります。社会を変えることが出来る特権を私はもっと利用して行かなければと50年記念の今日もう一度考えました。
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