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2018_06
23
(Sat)09:40

Zero toleranceー不寛容政策

アメリカが揺れています。トランプの下した移民政策で(今週の水曜日に一応撤回しましたが)、その政策に対する反対運動でメディアも国民も大きな声をあげています。このZero tolerance政策。日本語に訳すと不寛容政策となるそうです。簡単な内容としては、国境にやってきた不法移民を一時的に拘留する際に、家族を引き離すというもの。不法移民でなく亡命を求めてきた人も同じように収容されていて、混乱が極地になっています。ちなみに亡命者はアメリカの法律で保護されているはずなんですが…それは無視なのかなんなのかわかりません。子供たちのなかにはまだ一歳に満たない子も家族から引き離されて、強制収容所に入れられていると報道されています。連日キャンプ内で録音されたという子供たちが親を慕って泣き叫ぶ声などがニュースで流れているという異常事態です。親は国境に着くと写真をビザのプロセスで撮るからなどと騙されて別の部屋に移され、部屋に戻ると子供たちはいなく隣の部屋から子供たちの泣きじゃくる声が聞こえてくるという、ユダヤ人の強制収容所を反芻させる措置です。これを書いているだけでもあまりに辛いので、これをどうやってブログで説明するかと毎日悩んでいましたが、悩むより書いてみようと思い、拙い日本語で読みづらいところもあるかと思いますがお付き合いください。

このZero tolerance政策ですが。オバマ政策時には国境にやってきた移民がちゃんとした手続きを踏んできていない場合、必要な情報を得た後にGrace periodとしてその後の処遇を決めるまでは一定期間は移民を自由に行動させていました。しかしこの期間中に行方をくらませる移民が続出(当たり前ですが)、これをトランプは”Catch and release”と強く批判。そして今回のとんでもない方策を打ち出したという流れです。あまりに非人道的だと民主党はもちろんのこと、共和党からも批判の声が上がっています。移民政策に関して超保守的なトランプ陣営ですが、今回のとんでも移民政策を打ち出すことで4つの別の移民政策をも通そうとしていたと言われています。

1. DREAMerへの保障の打ち消し。DREAMerとは子供の頃に親と一緒に国境を越えてアメリカにやってきた人たちで、国境を越えた時点では本人たちに選択の余地はなく、不法に入国した彼らに責任を問うことは出来ないというオバマ陣営が打ち出した案です。そのため、DREAMerたちは犯罪を犯したりしていない限り、市民権が約束されるようになりました。トランプはこれを真っ向から否定し、いままで保障されていた権利を剥奪するといっています。

2. 国境警備の強化。選挙当時から言っていますが、壁を作るってあれですね。具体的には警備兵の増員、カメラなどのテクノロジーの強化、そしてやっぱり壁は作りたいそうです。

3. グリーンカード宝くじの廃止。実はグリーンカードって就職、結婚以外にも宝くじで当たる場合もあるんです。毎年何万人もの人がこのLotteryでグリーンカードを取得しています。悪法だとトランプは言っていて、このシステムの廃止を目指しています。

4.最後に、配偶者そして家族ビザの改め。現在の法律では、会社からビザをスポンサーしてもらった外国人は配偶者はもちろんのこと、子供や親、そして婚約者も同じようにスポンサーしてもらうことが出来ます。トランプはこれも反対。

オバマ政策で変えたことを全部変えるのが就任からずっと彼のミッションになっているようです。
これに加えてCompromise billという法案があり、それが最近のニュースではかなり注目されています。Compromise = 妥協という意味ですが、トランプの超保守的な法案に妥協したという案で…もちろん共和党側から出されたのですが、民主党からしたら「保守的で全然妥協になってないじゃん」と反対が相次ぎ、法案が通らず、来週に持ち越されています。なぜかというと、現法律では子供は20日以上は拘留してはいけないとなっているのですが、トランプサイドの「妥協案」では、移民と家族を一緒にするが、20日以上拘留しても良いとしているんですね。なので子供たちを含む収容者の精神的負担を危惧して、反対が怒っているんです。

でもこの妥協案を通すためにZero tolerance案を出して、言い方は悪いですが、移民とその子供たちを人質に取り民主党に圧力をかけていた形になっています。さすがにやりすぎて今週の水曜にZero tolerance案は一応打ち止めることになったのですが、最近のニュースでは親の承認も得ないまま子供たちに落ち着かせるための精神薬を与えているという報道がでてきているらしいやら、子供たちは避難用のプラスチックの毛布を与えられ、おもちゃも何もないまま檻に閉じ込められていると…とまぁめちゃくちゃなアメリカです。第二次世界大戦の時に日系アメリカ人で収容所へ送られた俳優のGeorge Takeiが、自分は親と一緒にいられただけマシだったと今回の処置がいかに非人道的かを語っています。

現在困っているのは引き離された家族がこの後一緒になる見通しが全く経っていないことです。子供たちは秘密裏に(←ここ重要)すでにアメリカ国内のいろいろな収容所に移動させられてしまっているようで、数日前にNYの市長が公式に抗議していました。「私の市に連れてこられていたのに、私が知らないとは何事だ」と激怒していました。無理もありません。今の所引き離しは見送られましたが、身分証明の番号も何も与えてないらしいので、自分の親元に帰るために子供たちの自己宣告に任せられているとか…。数字を1から10まで数えるのがやっとの子供たちにできるはずがないですし。これから引き離さないにしても、もう引き離されてしまった何千人もの子供の処遇をどうするのか、トランプ陣営に注目が集まっています。
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タグ:アメリカ 移民 ニュース トランプ

コメント

No title

もうトランプの名前を聞くのも顔を見るのも声を聞くのもイヤな私です。 周りで働いている人たちも頭がおかしいわ。

自分の子供たちの経験から、うちの2人は、私が全てだったので、今、離れ離れになっている小さな子供さんたちの事を思うと悲しさで一杯ですね。 罪の無い子供たちに一生傷が付くと思う。 うちの子供達は、5歳くらいまで、何もかも私がしないと嫌がったのよ。 例えば、靴を履かす事なんて、誰でも任せれるじゃない? でも、私の子供達は、私以外の人に履かせて貰うのがイヤで、必ず、『マミーがしないなら、靴は、履かない!』って感じでした。 他にも色々。

朝起きる時も昼寝から目覚めた時も真っ先に見たいのは、私の顔だった。

だから、小さな子供さんたちが、今、親たちと別れているって思うとね。

どうしても理解出来ないのが、トランプなんて2人の外国人と結婚してるじゃない。なのにどうして、外国人に対して、ここまで非人間なのか?

2018/06/26 (Tue) 10:27 | Kiko | 編集 | 返信

Kikoさん

全く同じです。なんかもう全てが生理的に受け付けなくなっています。あの声も顔も、全てが嫌いです。トランプさんはなんかもうどこかがおかしい人なんでしょうね…。あまりに酷すぎて人間として信じられないです。

母親になった経験はないですが、娘である経験から…親とあんなに小さい時に引き離されるなんて考えることもできません。カウンセリングのセッションでトラウマチェックリストがあるのですが、その項目の中にも「親と引き離されたことがある」という項目がトラウマになる一因として書いてあります。祖母が第二次世界大戦中もこんなにひどいことはしなかったと…その一言がとても重く感じました。

2018/07/04 (Wed) 09:29 | Yuima | 編集 | 返信

自分の子供達の母親が外国人なのに,どうやって幼い息子に自分の政策の非道さと矛盾を説明するんでしょうね。
こんなにsympathyのないアメリカ人見た事ないです。先日90歳のメキシコ人の男性がロサンゼルスでレンガで襲われるニュースを見ました。アメリカはどこに向かうんでしょうね。

2018/07/15 (Sun) 07:21 | かにこ | 編集 | 返信

かにこさん

本当に彼は矛盾していますよね。多分自分の利益のことしか頭にないのか…裏で糸を引いている人がいるのがわかりませんが…どちらにしろアメリカのというか世界の明日が不安になってしまいます。

2018/07/20 (Fri) 20:01 | Yuima | 編集 | 返信

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