in STLの暮らし

ミズーリ歴史博物館

-4 COMMENT
新しい家から徒歩15分くらいのところにミズーリ歴史博物館があります。
Photo Jun 03, 12 40 00 PM


入場料は基本無料。セントルイスにはこうした無料で楽しめるアトラクションがたくさんあります。全米一位を去年取った動物園も無料だし、科学館も無料、美術館も特別展示室(全館の4分のIくらい)以外は全て無料です。助かります。最初は徒歩30分かかる美術館へ行こうと思っていたのですが、歩いていたら靴づれができてきたので、引き返して博物館にしました。面白そうな展示があったので、覗いてみました。

Photo Jun 03, 12 35 06 PM

私も知らなかったのですが、実はセントルイス公民権運動の立役者だったという展示です。1964の地元紙に「セントルイスは全米のどの州や市に比べても明らかに最高裁判所で議論された事件く公民権運動に影響した運動も多いため、セントルイスは見直されるべきである」という記事が出たそうです。そうなのかぁーとセントルイスに7年住んでいる私も驚きました。
Photo Jun 03, 11 28 36 AM

その4件というと、

Dred Scott v. Sandford (1857)
これは南北戦争の引き金とまで言われる事件ですね。いろいろ入り組んでいるのでかいつまんで説明すると、Dred Scott氏は奴隷として生まれ所有されていたDred Scott氏が、(奴隷を禁じた)セントルイスに移る前に自由州で暮らしていたいたことがある経緯から自分は家族は自由民であると訴え、最高裁判所まで議論された事件です。また彼が結婚しているということも自由民として認められるべき理由でした。第一と第二裁判では彼の主張が認められたのですが、Sanford家側(スコットを”所有”していた家族)が諦めず最高裁へ。結果最高裁で告訴は棄却され、南部よりの判決が出たことへの北部の反感から南北戦争へアメリカはまっしぐらです。

こちらはDred Scott氏の肖像画です。
Photo Jun 03, 12 16 43 PM

こちらは奥さんのHarrietさんの肖像画。
Photo Jun 03, 12 16 32 PM

こんな展示もありました。奴隷民から自由民になるためならどれを選びますか?何年も何十年もかけて訴訟する、命がけの逃げる、多額のお金を払って自由民の権利を買う(現在のお金にして30万から400万かかります)、それか命を賭けて戦う。こうしてみると自由民二なるのはほぼ不可能だったんですね。
Photo Jun 03, 12 17 54 PM

Gaines vs. Canada (1938)
ミズーリ大学が黒人であるためL. Gaines氏の法律学部への入学を拒んだことで起きた訴訟事件です。L. Gaines氏はアメリカ合衆国憲法修正第14条(ドレッド・スコットの判決の約10年後に通った、元奴隷民の基本的人権を保証する憲法)を引き合いに出し、自分には入学する権利があると主張しました。ミズーリ州はL. Gainesに別の大学で勉強できるための奨学金を提案しますが、L. Gaines氏はそれを拒否。頑固として戦う姿勢を見せました。議論の焦点は彼が入学を拒否されたのは彼の人種によるものか、それとも能力によるものかでした。結局最高裁判所は全ての人に等しい教育を施さないといけないとL. Gaines氏よりの判決を出し、L. Gaines氏は念願の大学に入学できることになったのですが、L. Gaines氏の姿はどこにもありませんでした。L. Gaines氏が母親に「もし自分が行かなくても、これで誰かが将来僕の代わりに行ければいいんだ」と漏らしていたそうです。その後シカゴへ移ると最後の手紙を出し、デパートで働いているなどと噂もありましたが、最後は何かに怯えて逃げているような姿で切手を買わないといけないと泊まっていたところのドアボーイに言い残して消えてしまいました。脅迫などを受けていたとの噂もあり、身の危険を感じて身を隠すしかなかったのかもしれません。80年近く経つ今でもわかっていません。

Shelley v. Kraemer (1948)
元持ち主と現持ち主の間で「1911年から50年間の間黒人またはモンゴリアン(アジア人)は購入されてはならない」とされていた家を黒人のシェリー一家が知らずに購入したところから事件は始まります。近所に住んでいてその家の所有者だった白人のクレイマー氏がシェリー一家を相手に訴訟をし、最高裁判所はアメリカ合衆国憲法修正第14条によって人種差別に基づくこのような前の持ち主が制定した決まりに基づいて州が何かしらの罰則を施すことは違憲であるとし、シェリー一家の家の保有を許可しました。ちなみのこの家まだ建っています。1990年にアメリカ合衆国国定歴史建造物になりました。興味がある方はこちらからどうぞ。

Jones vs. Alfred J. Mayer Co. (1968)
黒人のJones氏に対して不動産屋のAlfred J. Mayer会社が彼の人種を理由に家を売るのを拒否したため、裁判になりました。最高裁判所は人種によって不平等に家の売買をしてはならないとし、Jones氏の勝訴となりました。

調べて書くの長かったですw D. Scottの話は知っていましたが、他のは知らなかったので勉強になりました。
印象的だった一枚。黒人の女性と白人の女性が一緒に展示作品にクギ付けになっていました。実は白人の方が多かったです。これは黒人の歴史ではなくアメリカ人の歴史。自分たちの歴史を学ぼうとしている姿勢に心打たれました。
Photo Jun 03, 11 56 22 AM

セントルイスのファーガソンで起きた黒人青年射殺事件、マイクさんの展示もありました。あの時セントルイスが大きく揺れ、それが全米に広がりまだその熱は冷めていません。展示を見てなぜセントルイスからだったのか少しだけわかった気がします、
Photo Jun 03, 12 02 01 PM

ファーガソンの運動の一作「私たちはそれでも飛び立てる」。有色人種であるアジア人の私が今アメリカにいられるのも、この数えられない数の戦う人たちがいたからなんだなと胸が熱くなりました。展示の中には白人のサポーターの写真も紹介され、一つの人種が戦ってきたんじゃないというメッセージを語りかけていました。
Photo Jun 03, 12 01 55 PM

最実際に使われていた奴隷への首輪と足枷。今でも存在する人種差別は見えない首輪と足枷を人々に課しているのだなと思います。でも私たちの先人はそれに簡単には負けないことを示してくれていると思い歴史博物館をあとにしました。
Photo Jun 03, 12 21 59 PM

ミズーリ歴史博物館
5700 Lindell Blvd, St. Louis, MO 63112


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アメリカセントルイス歴史博物館公民権運動

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4 Comments

majyosan  

勉強になります

日本では公民権という言葉すら ほとんど意味を知る機会がないので
(学校の授業ではアメリカの歴史は扱われてないに等しい)
セントルイスがそんな要のような土地だったなんて驚きました。
叔父が住むまで セントルイスブルースという歌がある事ぐらいしか
知りませんでした。
でも無料の施設がそんなに沢山あるのも びっくりです!
日本では65歳以上は無料とか 割引とかあるけど 普通は有料ですよね。
国の成り立ちの違いというか やっぱり度量の違いかなぁ?

ところで全然関係ないですが アメリカってドーナッツの日があるんですか?

2017/06/06 (Tue) 09:37 | EDIT | REPLY |   

Kiko  

セントルイスには、長い歴史が有るのですね。 同じアメリカと言えど、ここは、大きいですからね。 色んな人が居て、色んな歴史があって。 Yuimaさんのブログで知ることが出来て嬉しいわ。

セントルイスは、人種の差別感と言うか、人種的な歴史が長そうですね。 ここにも有りますが、何だかすっかり綺麗事で終わってるかなぁ。 まあ私の今有る環境に慣れてしまったから、私の感覚が麻痺してるのかもしれないけど。

2017/06/07 (Wed) 06:10 | EDIT | REPLY |   

Yuima  

Majyosanさん

そうなんですよね。歴史の教科書でもMLK jr.をちょっとかじるぐらい。私は教会でゴスペルを聞いて育っていたので、歴史の授業でとても残念に思ったのを覚えています。
私も実はびっくりした歴史の事実でした(苦笑 こうして一年半も展示するということは、本当にセントルイスの中でもあまり知られていないことなのだろうなと思います。どうしてこの歴史は語られなかったのかという疑問を問いかけるブースも展示室の中にありました。
セントルイスは無料の施設が多いことで実は有名なんです。ある意味子供を育てやすい地域ではあるみたいですね。動物園に連れてけば子供たち喜ぶし、他にも日本でいうこどもの国のようなアニマルファームという’場所も基本無料だったと思います。
日本ではちょっとありえない感覚ですよね。

ご質問のドーナッツの日ですが、あります。National Donut's Dayとそのまま言われていて今年は6月2日でした。アメリカの慈善団体Salvation Armyに属していた女性が第二次世界大戦中にドーナッツを前線の兵士に振る舞ったのが発端だそうですよ。

2017/06/09 (Fri) 13:22 | EDIT | REPLY |   

Yuima  

To Kikoさん

そうですね、セントルイスは昔からシカゴや他の大都市に向かう時の中間点なので、いろいろな人が通ってきたという歴史があります。南部開拓地の最初の地でもあるし、いろいろな意味でアメリカの要の役割を昔は果たしてきたようです。もう今では過去の栄光になっていますが。でも黒人の人口比率は50%に近いので、人種問題はおのずと表面化しています。お隣のシカゴの方が色々騒がしいのですけれどね。私も学べて良い機会でした。

2017/06/09 (Fri) 13:25 | EDIT | REPLY |   

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